今年に入ってから、國際市場の需要回復を背景に、中國の家電輸出は著実な成長を見せています。

輸出が好調に推移している一方で、家電輸出は依然として複雑で厳しい外部環境に直面しています。一方では、國際市場の需要低迷、世界経済の低迷、他方では、貿易保護主義の高まり、地政學的紛爭の激化、歐州市場におけるインフレの波及リスクの顕著な上昇など、家電輸出に圧力をかけています。中國機械電気製品輸出入商會家電分會秘書長の周南氏は、こうした課題に直面して、中國企業はグローバル化の発展理念を堅持し、産業競爭力を不斷に強化し、新興市場の開拓を強化し、グローバルな配置を重視するとともに、自主革新の発展モデルを堅持し、グリーンで低炭素の発展の道を歩み、新たな競爭優位性を育成する必要があると提案しています。

稅関データの統計によると、2024年1～5月期の中國の家電（白色家電）輸出額は531億7000萬ドルで、前年同期比11.9％増加しました。周南氏は、上半期の家電輸出規模は前年同期を上回ると予想しています。

伝統市場の回復、新興市場の急成長

地域別の輸出狀況を見ると、中國は世界の主要市場への家電輸出額が軒並み増加しており、新興市場への輸出増加傾向が最も顕著です。

日韓両國の需要回復、中國から東南アジア、中東、「一帯一路」共建諸國への輸出の顕著な増加、前年同期の低水準からの反発効果などを背景に、中國のアジア向け家電輸出は堅調に推移しています。中國機械電気製品輸出入商會の統計によると、2024年1～5月期の中國のアジア向け家電輸出額は205億2000萬ドルで、前年同期比13.8％増加しました。

具體的には、中國のタイ向け家電輸出額は15億5000萬ドルで、前年同期比26.9％もの大幅増となりました。韓國向け家電輸出額は17億ドルで、前年同期比15.0％増加に転じました。さらに、中國のASEAN向け家電輸出額は前年同期比27.7％増加し、前年同期比を約23ポイント上回りました。中東地域のUAE向け輸出も好調です。

今年に入ってから、歐州地域の高インフレは明らかに落ち著きを見せており、前年同期の低水準からの反発効果などもあって、消費需要全體が回復傾向にあります。中國機械電気製品輸出入商會の統計によると、今年1～5月期の中國の歐州向け家電輸出額は138億8000萬ドルで、前年同期比7.9％増加しました。中國のドイツ、フランス向け家電輸出は好調ですが、英國向け輸出は減速傾向が顕著であり、イタリア向け輸出は底入れ反発の動きを見せています。

米國の前年の在庫調整効果が顕著であり、消費が回復し、前年同期の低水準からの反発効果などもあって、今年1～5月期の中國の北米市場向け家電輸出は回復傾向にあります。中國機械電気製品輸出入商會の統計によると、2024年1～5月期の中國の北米市場向け家電輸出額は102億5000萬ドルで、前年同期比4.3％増加に転じ、前年同期比を23ポイント大幅に上回りました。そのうち、中國の米國向け家電輸出額は93億8000萬ドルで、前年同期比3.2％微増となりました。

「中國とアフリカの長期的かつ安定的な貿易関係、近年中國の家電企業がエジプトなどのアフリカ地域への投資?工場建設を強化したなどの影響により、今年1～5月期の中國のアフリカ向け家電輸出額は著実に増加しています。」と周南氏は述べています。中國機械電気製品輸出入商會の統計によると、2024年1～5月期の中國のアフリカ向け家電輸出額は24億2000萬ドルで、前年同期比16.8％増加しました。中國のアルジェリア向け家電輸出額は4億1000萬ドルで、前年同期比79.2％もの大幅増となりました。エジプト向け家電輸出額は3億ドルで、前年の-11.0％から25.9％増加に転じました。南アフリカ向け家電輸出額は2億9000萬ドルで、前年同期比14.1％増加しました。

中東?北アフリカ地域の経済成長が好調で市場需要が旺盛であるため、今年1～5月期の中國のアラブ連盟市場向け家電輸出は堅調に推移しています。中國機械電気製品輸出入商會の統計によると、2024年1～5月期の中國のアラブ連盟市場向け家電輸出額は47億8000萬ドルで、前年同期比15.1％増加しました。そのうち、中國のUAE向け家電輸出額は12億1000萬ドルで、前年同期比15.8％増加しました。イラク向け家電輸出額は10億5000萬ドルで、前年同期比24.0％増加しました。サウジアラビア向け家電輸出額は9億2000萬ドルで、前年同期比5.1％増加し、前年同期比増速はほぼ橫ばいとなりました。

6つの主要製品と部品の數量と金額が共に増加

今年1～5月期、中國機械電気製品輸出入商會がモニタリングした6つの主要家電製品と部品の輸出は、數量と金額の両方が増加する好調な傾向を示しており、前年同期と比べて明らかに改善が見られました。そのうち、大型家電、キッチン家電、生活家電、環境家電、パーソナルケア製品の輸出數量の増加率はすべて20％を超え、その他の製品の輸出數量の増加率も15％を超えています。輸出額から見ると、生活家電の輸出増加率が最も高く、また、家電部品の輸出も前年同期と比べて回復傾向にあり、數量と金額の両方が増加しています。

具體的な製品を見ると、2024年1～5月期の主要家電製品であるエアコン、冷蔵庫、冷凍庫の輸出數量は回復傾向を維持しており、いずれも増加しています。中國機械電気製品輸出入商會の統計によると、そのうち冷凍庫の輸出數量の増加率が最も高く、輸出規模は1047萬臺に達し、2023年通年の輸出規模の49％を超えています。冷蔵庫と洗濯機の増加率も24％を超えています。エアコンの輸出數量は4383萬臺に達し、2023年通年の輸出規模の66％を超えています。

キッチン家電（レンジフード、コンロ、オーブン）の大部分の製品の輸出數量は高い水準で増加しています。中國機械電気製品輸出入商會の統計によると、2024年1～5月期、レンジフード、電気溫水器、食器洗い機の輸出は前年同期比でいずれも20％を超える増加率を示しました。IHクッキングヒーターとガス溫水器の輸出も好調です。

環境家電の多くの製品の輸出規模は、前年と比べて明らかに増加しています。中國機械電気製品輸出入商會の統計によると、2024年1～5月期、空気清浄機の輸出は前年同期比37.6％もの大幅増となり、輸出數量は約1090萬臺に達し、前年通年の輸出規模の48％に迫っています。扇風機、浄水器、加濕器の輸出も引き続き好調です。

生活家電の輸出は前年の回復傾向を維持しており、全體として、多くの製品の輸出數量は著実に増加しています。中國機械電気製品輸出入商會の統計によると、2024年1～5月期、掃除機の輸出數量は約6900萬臺で、前年同期比20.7％増加しました。衣類乾燥機の増加傾向が最も顕著で、前年同期比465.6％もの大幅増となりました。

海外のインフレ鈍化、在庫調整効果の顕著化、消費動向の一時的回復などの要因の影響を受け、世界のキッチン家電への需要が徐々に回復し、多くの製品の輸出は好調です。中國機械電子商會によると、2024年1～5月、同商會がモニタリングする10種類のキッチン家電のうち、8種類の主要製品の輸出額の伸び率は10％を超え、そのうち浄水器の輸出は44.9％増加し、583萬臺以上を輸出、前年輸出規模の53％を既に上回っています。

今年に入ってから、パーソナルケア製品の輸出は前年通年の伸びを継続しています。中國機械電子商會によると、2024年1～5月、バリカン輸出量は9998萬臺以上、その他の理容器具輸出量は9500萬臺、シェーバー輸出量は3244萬臺でした。ヘアドライヤーの輸出量の伸びが最も顕著で、前年通年の輸出総量の46.4％に達しています。