インドが『地域的な包括的経済連攜協定』(RCEP)から脫退して4年後、近隣のスリランカとバングラデシュが、この大規模な貿易連合への加盟を積極的に検討しており、自國の経済に更なる市場を開拓しようとしています。RCEPは、中國、日本、韓國、ASEAN諸國、オーストラリア、ニュージーランドを含むアジア最大の貿易協定であり、世界のGDPの30%を占めています。
スリランカはRCEP加盟を正式に申請しました。政府は今年8月にこの決定を承認し、複數の主要経済圏を含むこの貿易圏の可能性に大きな期待を寄せていると述べています。申請を更に推進するため、スリランカはマレーシア、インドネシア、日本、タイと二國間會談を行い、支援を求めています。
一方、バングラデシュもRCEP加盟を積極的に検討しています。同國外務大臣のアブドゥル?モメン氏は、商務省が政府にこの案を採用するよう勧告しており、2024年1月の総選挙後に最終決定が下されると予想されると述べています。スリランカと同様に、バングラデシュもRCEP加盟による大きな可能性を認識しています。
スリランカとバングラデシュはどちらもインドと自由貿易協定を締結しており、『南アジア自由貿易協定』(2006年発効)の締約國でもあるものの、RCEPへの加盟により、両國は南アジアの貿易圏から抜け出し、他のアジア諸國との貿易をより広範に行うことができます。
この動きは當然、インドの懸念を引き起こしています。インド政府の高官は、近隣諸國のRCEP加盟は「懸念すべき動き」だと述べています。彼らは、RCEPで主導権を握る中國に周辺市場が傾くことを懸念しており、これによりインドがこれらの市場における競爭力を失う可能性があると指摘しています。
しかし、アナリストは、スリランカとバングラデシュがRCEP加盟を選択した理由はそれだけではないと考えています。スリランカのヘマスグループ社長、カストゥリ?チェララジャ?ウィルソン氏は、スリランカは経済危機の中で地域市場の重要性を認識したと述べています。彼女は、RCEPやその他の貿易協定への加盟が、スリランカの市場拡大と、國際的な大企業に対抗する競爭力の強化に役立つと述べています。
総じて、両國の選択は、グローバル化時代におけるより大きな市場への追求と、地域貿易協定への重視を反映しています。この狀況下、インドはアジア市場における地位を確保するため、RCEPにおける立場を再評価する必要があるかもしれません。